2009年03月30日

農業暦(昔々の米作り)

地区の古老が記した「農業暦」の写しをいただきました。
現在では行っていないこともあり、史料として大変貴重なものですから
ここに原文のまま掲載します。

四月。五月。農事始め・『鍬の柄のもろ手になじむ四月かな』
苗代(水苗代)雪解けを待って始まる春一番の作業は男は股引、女はもんぺ(裾を足首の所でしぼった労働用の袴腰回りはゆったりしていて着物の裾をいれることができる主に東北の婦人が用いたが第二次大戦中全国に広がったもの)
素足で田に入って作業す、鍬鎌が農具の主なり。鍬で畔を塗り、四本鍬で耕起し三本鍬で塊打ち、
代掻き{苗代や田に水を入れる)
・苗代の播種、早朝日の出前に蒔く畔から均一に飛ばし蒔く、
牛馬(農耕用飼育)田畑の耕起、運搬等に農家の大切な労働力で昭和三十年代までに飼われていた。

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六月・七月・田植え・田植衆腕一斉に植え始む苗取り早朝(四時から六時)午後一時から二時、蚊遣火(かやりび)蚊を追い払うため燻し火
田植枠、田面に植え印をつける、田植えの一人前植え付け・・五畝歩
苗取り一人前、二百から二五〇把。
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・七月・八月・田草取り、『もの言わぬ夫婦になりけり』
田草取り・・一番草、二番草、二回の除草を行う田を這うようにして手で書き取る暑い日盛りの大変な労働、昔は専業農家が多く若い夫婦も田畑で共稼ぎ日中の子守、子育ては姑の役目おやつの授乳は田や畑で乳児に母乳やる健康な母親

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・九月・十月・穫り入れ、『作柄は束ねし稲の穂の重き稲刈り・・・』
稲刈り・・稲刈り鎌で手刈り一日当たり一三○から一五〇束(一人前の仕事)を刈って束ねて畔立てをする一束とは六把(三表・・・百束)
・稲扱き、主に夜仕事、朝仕事、足踏式、手廻し式の人力用玄米一俵・・六〇キロ一俵総重量七五キロ


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昭和三十年代まで続いた農家の在り方であり平成の現代では昔物語りとして面影も無し・・。

日本の原風景ですよね。確かに今は見ることができなくなっていても
その地域に代々受け継がれてきた「農」への想いは消えることは
ないんだと思いました。








Posted by ぴぴ at 18:32│Comments(0)
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